突然ですが、ピラティスって聞いたことありますか?美味しそうと思ったあなた。ケーキではございません。
ピラティスは主に体質改善を目的としたエクササイズです。日本では2000年代に入ってから徐々に紹介され始めました。歴史が浅いですが、ダイエット効果もあることが分かり女性を中心に人気を集めています。
そんなピラティスが、何やら内臓脂肪を落としてくれるらしいのです。これはちょっと探ってみるしかないですね。
目次
ピラティスが内臓脂肪に良いとされる理由
ピラティスは解剖学を基礎に持っているため、非常に理論的なエクササイズです。当初は姿勢の矯正やリハビリが中心でしたが、コアマッスルの考えを取り入れることによって、病気のない肉体と精神を作り上げるよう進化してきました。
ピラティスと内臓脂肪の関係を探る前に、ピラティスについて、ざっとおさらいしてみましょう。
ピラティスとは?ヨガとの違い
ピラティスはその体の動きがヨガに似ていることからよく比較されます。ではヨガとの違いは何なのでしょうか。動作の違いから目的の違いまで、その特徴と効果を比べてみました。
ピラティスの歴史
ピラティスの考案者ジョセフ・ピラティスは幼少の頃から病弱だったため、多くのスポーツや武術などを通して肉体改造に取り組みました。その過程でヨガや座禅なども習得し、ついには健康的な肉体を手に入れたのです。
その後看護師となった時、ベッドに寝たまま体に負担をかけずにできるリハビリ法を考案します。それがピラティスの原型になりました。その後、様々なアイディアやヨガなどの要素なども取り入れて、現在のピラティスが完成したのです。
最近では一部の医療現場で、ピラティスをリハビリ用のプログラムとして取り入れています。
①ピラティスとヨガの違い~インナーマッスル
インナーマッスルとは、体の内部の骨の近くにある筋肉のことで、直接的に鍛えることの難しい筋肉です。この筋肉は疲れにくく、鍛えることで基礎代謝が向上するという特徴を持ちます。
ピラティスは、インナーマッスルを鍛えることに重点を置き、疲れにくく代謝のよい体作りを目的のひとつとしています。ヨガにもインナーマッスルを鍛えるポーズがありますが、鍛えることが目的ではありません。
②ピラティスとヨガの違い~呼吸法
ヨガとピラティスの最大の違いは、その呼吸法です。ヨガが腹式呼吸であるのに対し、ピラティスは胸式呼吸です。胸式呼吸は、鼻から吸った息を胸にためて膨らませ、口から息を出します。また常にお腹に力を入れて引き締めておきます。
この呼吸法はピラティスの基本であり、肋骨を動かすことでインナーマッスルを刺激し、筋力を増強します。その結果、姿勢の矯正や基礎代謝の向上へとつながっていきます。
③ピラティスとヨガの違い~動作
基本動作も大きな違いになります。ヨガはポーズをとったらその状態で静止しますが、ピラティスは常時体を動かし、器具を使用する場合もあります。
ヨガのポーズは安定していて心にリラックス効果を与えますが、ピラティスでは常に体を動かして、様々なインナーマッスルを鍛えているのです。
④ピラティスとヨガの違い~目的
ヨガは安定したポーズをとることで心身を調和して、精神をリラックスさせることが主な目的です。一方、ピラティスはインナーマッスルを鍛えて健康的な体作りを目的にしています。
またピラティスはリハビリ用として考案された側面もあるため、自分の体の状態に合わせたプログラムから始められるのも特徴です。ガチガチに組まれたプログラムで、無理な動きをして体を痛めることもありません。
どうでしょうか?こうして比べてみると全然違うのですね。簡単に言えば、ヨガは精神、ピラティスは肉体という方向性の違いとも言えます。そのため、動作にも違いが出てくるのですね。
内臓脂肪に良い理由
では、いよいよ気になる内臓脂肪の改善についてです。そのカギとなるのは、先ほどヨガとの違いで説明した呼吸法とインナーマッスルです。
骨盤の矯正で内臓脂肪を燃焼する
ほとんどの人は身体に歪みを持っていて、その歪みは本来体が持っている機能を阻害しています。骨盤が歪んでいる状態では、腹部の内臓は正しい位置になく、そこに生じた隙間に内臓脂肪が貯まりやすくなってしまいます。
それは代謝にも悪影響を与え、内臓脂肪が落ちにくい状態を作ってしまうのです。
胸式呼吸法は胸と腹に意識を集中しながら行うことで、骨盤周辺のインナーマッスルが鍛えられ、骨盤の矯正になります。骨盤の歪みを矯正することで、腸などの腹部の内臓は自然な位置に戻って活性化し、内臓脂肪の燃焼を促進します。
腸が活動する時に使われるエネルギーは内臓脂肪なのです。
さらに、骨盤の歪みは体全体の歪みにも影響するため、姿勢の矯正にも役立ちます。そのため腸以外の内臓の位置修正や機能の改善にもつながり、体全体の基礎代謝の向上が期待できるのです。
呼吸法で内臓脂肪を燃焼する
胸式呼吸は横隔膜を使います。横隔膜は胸部と腹部の間にあり、下は腹部にある腸などの内臓につながっています。そのため、横隔膜が呼吸によって上下に伸縮すると、つながっている腸もその影響を受けて伸縮するのです。
刺激を受けた腸は活発化して代謝を向上させ、内臓脂肪の燃焼を促進します。
いかがでしょうか。胸式呼吸だけでも非常にたくさんの効果が表れていることに驚かされませんか? しかも、無理な動きや激しい運動はしないので、体力に自信のない方でも始められそうですね。
では、始めるためには、どうしたらよいのでしょうか。
ピラティスってどこでできるの?自宅でもできるインナーマッスルの鍛え方
ピラティスを実際にやるには、2通りあります。もしあなたの地元にピラティスのスタジオや教室があれば、そこへ通って教えてもらうのが1つの方法です。また、通う時間がない、近所にスタジオがないという方は動画やDVDを見ながら、自宅でやるのがもう1つの方法です。
スタジオでレッスン受講
スタジオでレッスンを受ける場合は、時間が限られることと出費を覚悟しなければなりません。また、スタジオのインストラクターがどんな人なのかも気になるのではないでしょうか。
ピラティスのインストラクターは国家資格ではありませんので、資格を持っていなくてもなれてしまうのです。しかし、どうせ教えてもらうなら資格を持った人の方が安心ですよね。
インターネットでそのスタジオを検索してみたり、スタジオに飾ってある資格証などを見たりして確認すれば安心だと思います。またインターネットの口コミも参考になるのではないでしょうか。
自宅で独学
自宅でやる場合は、スペースや器具の問題でできないことがあるかも知れません。しかし、狭いスペースで器具がなくてもできることが、たくさんあります。簡単なものは寝ころぶスペースがあればできます。
独学の場合は、インターネット上にある解説付きの動画や、DVD付きの解説本で勉強できますから心配する必要はありません。
自宅でできるピラティス
自宅ですることを前提としたピラティスのポーズを2つご紹介します。どちらも腹筋を鍛えて内臓脂肪の燃焼を促進します。今後の参考にして下さい。
腹筋を鍛える基本「カール・アップ」
- 仰向けの状態で膝を90度に近い角度で曲げて立てます。足幅は手が1つ入る分程度開きます。
- 両手を頭と首の間に回し、指を組み合わせます。
- 息を吸い、吐き出すタイミングで顎を引き、肘を前に出して頭を持ち上げます。
- この時の呼吸は胸式呼吸です。
- 肩甲骨が床から離れたところで③に戻ります。これを10回繰り返します。
脚を持ち上げて腹筋を鍛える「ダブル・レッグ・ストレッチ」
- 仰向けの状態で膝を90度に近い角度で曲げて立てます。足幅は手が1つ入る分程度開きます。
- 両手を頭と首の間に回し、指を組み合わせます。
- お腹は引き締め、腹部の裏は常に床に付いているようにします。
- 息を吸いながら両足を持ち上げ、膝と太腿、太腿と体がそれぞれ90度になるように曲げます。
- ※この時、腰が浮いてしまう場合は、膝を胸側に近づけて下さい。
- 息を強く吐き出しながら、つま先を床へ近づけて静止します。※腰の裏が浮いてしまう場合は、脚の重みに負けていますので、つま先を下す位置を少し上に調整して下さい。
- ※この時、膝と太腿は90度を保ったまま、腹部の裏側も床に付けたままの状態です。
また、腰を反らしてしまうと腰痛の原因になりますので、無理は禁物です。 - ④に戻り、8~10回繰り返します。
できましたか?最初は無理をせず自分のできる範囲で行いましょう。少しずつでも、毎日続けていればきっと成果が表れてきます。
太るのはすぐなんですがね、脂肪を落とすのには、少し時間がかかります。根気よく続けましょう。
【口コミ】ピラティス
では、今まで実際にピラティスをやってみた方の声を聞いてみましょう。これから始めそうとする方の参考になるはずです。
良い意見 | 悪い意見 |
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母の勧めで、CD付きの本で毎晩やっていました。当時159センチ63キロあったのですが、春から開始して秋には54キロになっていました。
お腹も足もサイズダウンし、特に足が細くなり、周りの人から『もうやめたほうがいいです!』と止められたほどでした。 |
大学の授業でピラティスをやりましたが、体が固くて、筋力もない私にはキツくて、向いていないようです。
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近所のスタジオに通っています。先生がとにかく親切で可愛くて、思わず目指してしまいたくなるような目標的な出会いのおかげで、4ヶ月で15kgの減量に成功しました。
どちらかというとダイエット目的で通ったのですが、ついでに不眠症までなおり、いいことづくめです。 |
本を買ってがんばっているんですけど、呼吸と体の動きのリズムがなかなかおぼえられないのは私だけでしょうか…
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最近発売されたピラティスダイエットプラスというDVDとエキスパンダーがついた道具でエキサイズ始めました。
1週間のプログラムになっており、既に10日やっているので2回目に入っていますが、無理なく3kg減量に成功しました。 エキスパンダーを色々な使い方で行うものですが続けられそうで気に入っています。 |
先生が感じ悪い。自分の気に入った人には、やさしくして、気に入らない人だと結構きつい言葉になります。
このレッスンに参加したあとは、不愉快なきもちになる。 |
雑誌の特集でピラティス特集に書いてあるエクササイズを呼吸に気をつけながら1日40分くらいかけてやりました。
やっていたら3ヶ月で-5kg、サイズも13号から7号にダウン。でも胸はそんなに落ちていませんので、私にはかなりこれが合っていたようです。 エクササイズ系は頑張ったらそれだけ結果も出ると思うので頑張ってみるのもいいかも。 |
全体的にインストラクターが若いのですが、スキルにかなりの差があり、バイトの子が練習で教えているのか!?と思うほど、言葉もたどたどしければ、スムーズでもなく…。
レッスンはインストラクター自身が正面で手本を見せながら進むものの、生徒を見ているというよりも鏡に映る自分に集中している方が多く、生徒のことは見てくれません。 |
ジムに通っています。そこのレッスンで週1回30分程やっています。とてもシンプルで、家でも週2~3回は、就寝前に布団の上で思い出せる動きだけを10回×3セットくらいやります。3ヶ月くらいで長い付き合いだったウエスト周りのぽっこりが…さよなら~。
でも、レッスンで教わる動きには二の腕周りに効くのはないので、二の腕との付き合いは続いています。 |
体験に行ってみて、レッスンは大変良かったのですが、受付の人と話していると、太った体型をされて傷つきました。他のお客さんにも上から目線の対応が目について、レッスンがよくても気持ちよく通えないなと感じ、安くはないレッスン料をこんなところには払えないと感じて入会を断りました。
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読んでいると、皆さんの悲喜こもごもの絶叫が聞こえてきそうです。
良いと回答している方は、ダイエットに成功し、そのなかでもウエストが細くなったと答えている方が多い結果となりました。きちんと内臓脂肪が取れているのでしょうね。
また、本やDVDでやって成功している方もおられますので、スタジオに通わないといけないということではないようです。また、太りにくい体質になったという意見もありました。
悪いと回答している方は、最後までやらずにやめてしまった人が殆どです。特にスタジオに通っている人の場合、インストラクターや受付の態度が悪い、という理由が一番多いですね。
折角入会する気持ちだったのに!とこちらが代わりに怒ってあげたくなってしまいます。また、インストラクターのスキルの問題もあります。スタジオに通おうと思っている方は、一度体験してから決めた方がいいのではないでしょうか。
以上の口コミから見ると、続けていれば内臓脂肪は減少する、ということが分かりました。
まとめ
無理な運動やダイエットをしなくても、内面の筋肉を鍛えることで代謝のいい身体作りができるピラティス。内臓脂肪の燃焼にも効果がありそうですね。皆さんはどう感じましたか?
まずは自宅で動画を見たり、スタジオの体験コースを受講してみたりしてはどうでしょうか。きっとピラティスとの素晴らしい出会いが待っているはずです。